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約1万年前から生息する妙見山の貴重なブナ林の保全活動が存続の危機に
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- 皆様こんにちは!京都のOMIYA CONNECTです。
早速ですが、皆さんは大阪府と兵庫県の県境に約1万年前から生息するブナ林があることをご存じでしょうか。
その出会いは約3年ほど前、今回一緒にプロジェクトに参加している中野伊助(なかのいすけ)さんからの紹介でした。初めてそのブナ林に入ったとき、夏の暑さがスーっと引いていくような凛とした空気を感じ、人の世界とは異なる自然の営みを垣間見つつも、その森を守るために活動する人の営みの尊さも感じました。
北極星信仰の聖地「能勢妙見山」の境内地であったため、人々から守られ1万年続いてきた貴重なブナ林。そのブナ林が今、地球温暖化やシカによる被害等で瀕死の危機にあります。
このブナ林を守るため、ボランティア団体である「能勢妙見山ブナ守の会」が森に寄り添い保護活動を続けていますが、人材も資金も厳しい状況です。
この状況を知った、京都で伝統産業の振興をしているOMIYA CONNECT(大城)は、この危機を救うべく京都の老舗の珠数屋である「中野伊助」(代表 中野恵介)さんの助けを借りて本プロジェクトを立ち上げました。 -
どんな被害があるのか
- 被害の多くはシカなど野生動物によるものです。柔らかい新芽を食べあさったり、生育した樹木の樹皮を食べたりします。生き物たちも生きるために必死ではありますが、森の生育のペースも考えなければいけません。必要に応じて人の手による対策も求められます。
更に台風や大雨などによる影響で樹木が倒れたりもしています。また遊歩道にかかる倒木などは危険もはらんでいますので、撤去することが必要です。
その為には多くの労力と資金を要します。 -
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- 獣害に合ってしまった木々。それも自然の摂理だが、適度な対策が必要です。
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- 一見、草が無く整備されたように見えますが、実はシカが草を食べてしまったエリアです。
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- 台風の被害で倒れてしまった樹木。
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では、どのような応援の方法があるのか
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- これまで私たちOMIYA CONNECTは伝統工芸の新しい可能性を模索してきました。そういった中で中野伊助さんとも様々な商品開発を行ってきました。そこで今回は「伝統工芸×環境保全」というテーマで、貴重なブナ材(風倒木)を使用した念珠(数珠)ブレスレットを開発するとともに、その商品を通して多くの方にこの貴重なブナ林の存在を知ってもらい、その収益の一部を寄付することで、保全活動の一助になれればと考えました。
祈りの山である妙見山(霊場)。そこで取れた素材(風倒木を生かす)。日常に身に着けられるもの(お守り)。今回の商品を通したプロジェクトが成就することで、妙見山のブナ林を広く知ってもらい多くの協力者を募るとともに、ブナ林保護の資金的な援助をしたいと考えています。
1万年続くこの貴重な自然を次の世代の子ども達につなげるために、皆様のお力添えを頂ければ幸いです。
まずはそんな貴重な妙見山のブナ林のご紹介をさせて下さい。 -
妙見山とは
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- 妙見山とは兵庫県と大阪府にまたがる北摂山系の一つで、標高660.1mの山です。山頂付近には「能勢妙見山」、正式には「無漏山眞如寺境外(けいがい)仏堂能勢妙見山」(※能勢町地黄にある眞如寺の飛び地境内)という源氏の末裔である能勢氏の守ってきた北極星信仰の寺院があります。
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なぜそのブナ林が貴重なのか
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- 能勢妙見山の山頂付近には約1万年前から続くと言われる貴重なブナの原生林が広がっています。日本のブナ林は温帯(年平均気温が6~13度)の代表的な落葉樹です。日本の西南地方では標高1000メートル以上の山に生育しているのが一般的です。しかし妙見山のブナ林は、『660.1メートルと比較的低い山に生育している』ことで珍しく、更に『他に残っていた低山のブナ林が人によって伐採されてしまった』ことで大変貴重なものとなっています。
妙見山山頂のエリア内には、幹周り2メートル以上のものが100本以上あり、中には直径が1.3メートルを超える大阪府下最大級のものも見られます。西日本でブナ林が見られる最も低い山ということで、このブナ林は昭和58年5月2日に大阪府の天然記念物に、平成28年3月25日に兵庫県川西市の天然記念物に指定されています。 -
能勢妙見山 北極星ノ森
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- 妙見山のブナ林は、北極星信仰によって守られたため「北極星ノ森」と呼ばれています。また、古くからあるお寺の境内地に生息していることから、2014年に「能勢妙見山ブナ守の会」が発足するまでは全く人の手が入っていませんでした。そのため、自然本来の姿を今でも垣間見ることができます。
春には新芽が芽吹き、夏には力強い緑が広がり、その大木達は他の生き物達に木陰を提供し、秋には役割を終えた葉が黄色や赤、様々に色づき山を染め、冬には新たな命を暖かく見守るような雪景色が広がります。 -
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能勢妙見山 ブナ守の会
- そんな貴重なブナ林の保全・整備を担ってきたのが、「能勢妙見山 ブナ守の会」です。2014年に発足された会は、長年このブナ林の保全活動に携わってきました。
保全活動は単に植樹や整地だけでなく、自然との触れ合いを生かしたイベント活動なども行っています。 -
ブナの苗木の育苗と植樹
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- 眺めのいいすすきの原っぱの跡地に、ブナの育苗所を作りました。
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- シカ対策のためにネットを張っています。
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- 植樹の様子。
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トレッキングをしながら写真教室
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- 講師の方が丁寧に説明してくれますし、その季節に合わせて参加者それぞれの感性でシャッターを切ります。
- それ以外にも、ブナ林内での朗読会や音楽会等様々なイベントを企画し、人と自然との交流を通してその尊さを伝え続けています。
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貴重なブナ材(風倒木)を使用し、創業250年余の老舗京念珠の職人が仕立てるブレスレット
- 森林の環境整備は、単に自然のサイクルに委ねればいいというわけではありません。人の世界とも隣接するわけですから、どちらにとってもいい環境を作っていく必要があります。その為には人の手を入れていく必要も出てきます。
そういった意味で遊歩道内の風倒木の撤去も大事な保全活動の一つです。放置すれば作業や見学者に危険が及ぶ可能性もあります。
本来ブナの倒木は、昆虫やキノコの住みかとなり、やがて分解され土に還り、そして新たな生命を育む貴重なものになります。ただ、様々な危険をはらんでいることや森の整備という意味で、廃棄処分が一般的だった風倒木を利用し、何か違う価値観を生み出せないかと思い、今回の商品開発に至りました。
前述のようにこれまで私たちOMIYA CONNECTは伝統工芸の新しい可能性を模索してきました。今回の「伝統工芸×環境保全」というテーマで、貴重なブナ材(風倒木)を使用した新しいカタチの念珠(数珠)ブレスレットでそれを表現しようと考えました。 -
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スクエアブレスレット 意匠登録第1703214号
- 【意匠登録】
スクエアブレスレットは「中野伊助」のオリジナルブレスレットです。今までにないカタチのブレスレットを考案するに至った経緯を中野さんに聞いてみました。
<制作者より>
枕元に伊保(いぼ)観音が立ち考案することが出来ました。
伊保の伊は「伊助」の伊であり、語源は「伊」はもともと神様を呼び寄せる聖職者を表す漢字でした。ツクリの「尹」は「丨」と「又」を組み合わせた漢字で、「右手で杖を持っている」様子を表します。これに「人」を表す「亻(にんべん)」を組み合わせて「杖を使って神様を呼び寄せる」、つまり「聖職者」を表したのです。漢字ができた当時は聖職者の人名に使われるなど、特定の場面(固有名詞)でしか見られない漢字でした。それを「保」すなわち続けるとする弊社ならではの観音様のお導きで出来たと考えています。
また普段使用する材料で全く違う形から珠数ではなくアクセサリーに見てもらえることができる、といった利点から意匠登録を取得しました。 -
- 能勢妙見山の寺紋である矢筈(やはず)を特別に刻印させていただきました。
※ラウンドブレスレットにも使用しています。 -
- 能勢妙見山の眷属である馬(八神馬)をモチーフに左馬を刻印しました。馬は「何事も”うま”くいく」など、縁起のいいモチーフです。
※ラウンドブレスレットにも使用しています。 -
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ラウンドブレスレット
- 馴染みのあるラウンド型のブレスレットも展開いたします。
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能勢妙見山にてご祈祷
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- 今回のプロジェクト商品を開発するにあたり、商品と材料にご祈祷して頂くために能勢妙見山に伺いました。ご支援いただく皆様への感謝の思いと、皆様それぞれの願いが叶うよう祈念して頂きました。
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- 特別にお堂内でも撮影させていただきました。※画像はご祈祷本番の場面ではなく、イメージ用として撮影させていただいたものです。
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京の老舗が仕立てる ~京念珠 中野伊助~
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- 創業250年以上を誇る(京の老舗)、京念珠の中野伊助。
念珠は2500年前、釈迦によりインドで生まれ、日本には聖徳太子の時代に仏教と共に伝来しました。仏教文化の広がりと共に当初は読経を数える道具でしたが、今では「御守り」「願掛け」の為にも用いられます。時代の移り変わりの中で、現代の様式に寄り添った念珠を提案しています。仏道において必要となる念珠(数珠)を代々作り続け、現在は10代目が営んでいます。 -
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念珠の技法を生かしたモノづくり
- 元々の道具としての念珠はもちろんのこと、昨今ではそれ自体を「お守り」として使用される方も増えてきました。今回はそういった世相も考え、常に身に着けられ、御仏の導きを携えていただけるようにと、念珠ブレスレットの形でご紹介しています。
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中野伊助の想い
- 念珠(数珠)は今から約2,500年前、現代と何も変わらず飢饉・戦争などで国民が困窮し疲弊した暗黒の時代にお釈迦様により人々の心を救済するために生まれました。念珠を持つことで心は癒され争いごとは鎮まり平和になり、それに伴い五穀豊穣にもつながっていきました。念珠はいわば「お守り」となったのです。
このことから現代の拭いきれない社会不安の中で、人々の心を癒し救うための一助に京念珠はなり得るのではないかと考えています。 -
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商品の仕様
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スクエアブレスレット
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- 〈虎目石バージョン〉
・サイズ/内寸4.5×4.5㎝ 重さ12g
・素材 /親珠=水晶10mm 主珠=虎目石5mm、ブナ珠7-7.5mm 四天珠=水晶10mm
・備考 /化粧箱入り -
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- 〈虎目石×アベンチュリンバージョン〉
・サイズ/内周4.5×4.5㎝ 重さ12g
・素材 /親珠=水晶10mm 向珠=ブナ珠11-11.5mm 主珠=虎目石5mm、ブナ珠5mm、 アベンチュリン5mm 四天珠=水晶10mm
・備考 /化粧箱入り -
ラウンドブレスレット
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- 〈虎目石バージョン〉
・サイズ/内周16㎝ 重さ10g
・素材 /親珠=水晶10mm 主珠=虎目石6mm、ブナ珠7-7.5mm
・備考 /化粧箱入り -
- 〈虎目石×アベンチュリンバージョン〉
・サイズ/内周16㎝ 重さ10g
・素材 /親珠=水晶10mm 向珠=ブナ珠11-11.5mm 主珠=虎目石6mm、アベンチュリン6mm 四天珠=ブナ珠7-7.5mm
・備考 /化粧箱入り
※数値はいずれも「約」。手作業での製作なので若干の誤差などがございます。
※発送は日本国内のみとさせていただきます。
※ギフト用ラッピングには対応していません。 -
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商品の取り扱いに関して
- ・高温多湿を避け、日陰で風通しのいい場所で保管してください。
・箱に入れっぱなしにはしないでください。
・木の珠を使用していますので、汗や水で濡れた場合は十分に乾かしてください。
・経年変化により色味が変わってくる場合があります。
・強い力で引っ張りすぎると、ゴムの擦り切れや緩み等の劣化につながります。
・あくまでもブレスレットですので、念珠(数珠)の代わりには使用しないでください。
・どうしてもゴムは経年劣化してきますので、予めご了承ください。万が一にもゴムが切れたりゆるんだりした場合は、通し替えなど対応させていただきます。※別途費用が掛かる可能性がございます。
【修理や紐の通し替えをご希望の場合の連絡先】
※お問い合わせの際は「ブナ珠ブレスレットについて」等とお伝えいただくとスムーズです。
近江屋 株式会社 新商品開発部
〒600-8177 京都府京都市下京区烏丸通五条下ル大坂町394
TEL:075-341-4181(代)
FAX:075-341-4180 -
支援金の使い道
- 今回ご支援いただいた資金の5%を能勢妙見山ブナ守の会へ寄付させていただき、今後の活動資金に役立てていただく予定です。
またそれ以外にも、今回のブナ珠を使用した新たな商品開発に充てさせていただく予定です。 -
スケジュール
- プロジェクト期間 2022年11月16日まで
商品発送予定時期 2022年10月中旬ごろから順次 -
プロジェクトメンバー紹介
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能勢妙見山ブナ守の会(材料提供)
- 2014年7月発足。会員80名程度の保護活動団体。主に次世代ブナの育成のため、実生苗の保護と育成、植樹、植樹地の整備や針葉樹林から広葉樹林への樹種転換などに取り組んでいる。また、啓発活動として、シンポジウムやブナ林内での散策撮影会・演奏会などを不定期で行っている。
2022年3月 大阪環境賞(協働賞) 受賞
2022年6月 兵庫県環境保全功労者知事表彰 受賞 -
箕浦 麻里子(写真中央)。
能勢妙見山ブナ守の会事務局広報担当談。
今回のプロジェクトに参画した理由のひとつに、より多くの方に妙見山のブナ林について知っていただきたいという思いがあります。ブナ林に触れ、「ブナ林を残したい」という思いやその難しさに共感していただければ幸いです。
ブナ林が素晴らしい森だ、と一言で言っても、本当に理解していただくためには、森がどう始まってどう進化していくのか、その土地の性質によってどんな森ができるのか、など、たくさんのお話しをしなければいけません。そして、聞けば聞くほど、森が思っていたよりもずっと複雑で、興味深い場所であることが分かっていただけるはずです。保護活動というと、単純作業で重労働をするだけだと思われがちですが、木に触れ、森の話を聞きながらなぜ草を刈るのか、どこにどう木を植えるのかを考えながら、森のスケールの大きさを感じるひとときは、決して単純なものではありません。もし少しでも面白そう、と感じられた方、一度でもいいので、活動に参加し、私たちと森を歩いてみませんか。 -
京念珠 中野伊助(商品制作)
- (株)中野伊助
10代目 中野 恵介(写真右)
1962年、京都生まれ。
幼少の頃より先代・先々代より念珠作法を学ぶ。大学卒業と同時に先代に師事し、家業の修行に入る。また念珠製作だけでなく仏門に関心をもち勉強をはじめる。
1994年、法人化と共に十代目襲名。
2005年、「京念珠製造師」に認定される。
2006年、国連60周年記念行事においてNY本部にて実演を行い、その際製作した平和念珠「ピース・スフィア」は当時のアナン事務総長に次ぐ田中事務次長オフィスに永久展示されることとなる。
2012年、京都市事業「京もの海外市場開拓事業」に参画し念珠の意味をベースにした新しいアクセサリーを開発し世に問う。
2016年、同志社大学商学部と産学官連携を開始する。
2017年、京都伝統産業青年会副会長拝命する。同年10月、蔵王権現役小角神変大菩薩結縁灌頂受戒。 -
OMIYA CONNECT(プロジェクト実行者)
- 大城 研志郎(写真左)
2014年近江屋株式会社入社。呉服営業を経験後、新商品開発部(OMIYA CONNECT)に移動。着物の技術や伝統をいかに繋いでいくかを日々模索。元々興味のあった工芸分野にて商品企画及び販路開拓を行っている。 -
その他妙見山の様子
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ブナ林散策の様子
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- 今回の企画にあたり、改めてブナ林を散策してみました。
ブナ林入口には大きな風倒木があります。風倒木は木の大きさや迫力を私たちに伝えてくれるだけでなく、きのこや虫のすみかになり、いずれ土に還って森の栄養になります。ブナ珠はそのほんの一部、訳あって撤去が必要だったものを使用しています。 -
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- 個性豊かな模様が可愛らしいです。
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- 妙見山にはブナ以外にもアカカシなどの大木も生育しています。許可をもらって抱き付いてみました。その大きさが伝わりますでしょうか。
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- 大きなアカガシの板根。
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- ブナの種。
ブナは夏頃になった実が秋に成熟して落ち、翌年の春、芽生えます。そのまま育てばいいのですが、最近はシカが増えたため、ほとんど食べられてしまいます。そのため、ある程度人の手による保護も必要になります。 -
- 能勢妙見山の寺紋(お寺の紋)。矢筈の紋(やはず)といいます。
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- お参りもしてきました。
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- 妙見山山頂から望む景色。是非皆さんも訪れてみてください。
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2022年9月26日 プロジェクトレポート プロジェクト期間延長のご報告
- 皆様こんにちはOMIYA CONNECTです。
この度のプロジェクトでご支援をいただいている皆様、誠にありがとうございます。
今回のプロジェクトですが、より多くの皆様に私たちの思いをお伝えさせていただきたく、プロジェクト期間を延長させていただくことになりました。
プロジェクト終了時期、2022年11月16日。
既にご支援いただいている皆様には予定通り10月中旬頃より順次発送させていただきます。
10月1日(土)以降にご支援いただいた方の商品発送は、それ以降からの発送となる予定です。予めご了承ください。
引き続き本プロジェクトのご支援並びに拡散のほど、何卒よろしくお願いいたします。